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「英語を聞けるようになりたい」
「英語のリスニング力を高めたい」
この記事では、英語リスニングの要素と英語リスニング力を向上させるコツをまとめています。
本質的な内容をシンプルにまとめていますので、初心者の方にも適した内容となっています。
それでは、ご覧ください。
英語リスニングにおける2つの要素
英語リスニング(音を聞く)はシンプルに2つの要素に分けることができます。
それは、
- 音を聞く(音声認識)
- 聞いた音を理解する(意味解釈)
です。
1ー音を聞く(音声認識)
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リスニングは音を聞くことから始まります。
音が正確に聞き取れないと、その後に続く「意味解釈」は誤った方向に進んでしまいます。
これは何も英語に限ったことではなく、日本語でも起きていることです。
例を挙げてみましょう。
Aさん:「昨日、か◯食べたんだけど、すごい美味しかったよ」
Bさん:「カニ?」
Aさん:「違う違う、カキ!」
私たちは、日本語の音に溢れて生活をしているため、日本語の音声に慣れています。ですから、日々の生活で「音声認識」の誤りが頻発しコミュニケーションに支障を来たすようなことはありません。
一方、英語に関しては、多くの人の場合、日本語よりも圧倒的に耳に慣れていないわけなので、「音声認識」に関するトレーニングを意図的に行うことが、英語リスニング力の効率的・効果的な向上につながります。
2ー聞いた音を理解する(意味解釈)
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音を聞き取った後は、その意味を理解します(意味解釈)。
たとえ音が聞き取れたとしても、意味を知らない、あるいは間違えてしまったら、コミュニケーションが上手くいきません。
「意味を間違える」ことを、日本語の具体例を通して、考えてみましょう。
Aさん:「昨日、カキ食べたんだけど、すごい美味しかったよ」
Bさん:「柿?甘くて美味しいよね!」
Aさん:「違う違う、牡蠣!」
1つめの「音声認識」と同じく、私たちは、日本語の音に溢れて生活をしているため、日本語に慣れています。ですから、「意味解釈」の誤りが多発しコミュニケーションが上手くいかないことはないでしょう。
日本語よりも圧倒的に耳に慣れていない英語に関しては「意味解釈」の問題、つまり、英語が聞こえても理解できない、意味がわからないということが、しばしばコミュニケーションの問題につながります。
したがって、英語の「意味解釈」に関するトレーニングを意図的に行うことも、英語リスニング力の向上に寄与します。
英語リスニングの要素ーまとめ
「音声認識」と「意味解釈」は、英語リスニング力向上における大切な2つの要素です。
英語の「音声認識」と「意味解釈」を計画的にトレーニングすることで、英語リスニング力は飛躍的に向上することが期待できます。
それでは続いて、英語リスニングのコツについて確かめていきましょう。
初心者でも上達する!英語リスニングのコツ8選
英語リスニングのコツは、「英語リスニングができない原因」で挙げた「音声認識」と「意味解釈」について「耳と脳を慣らす」というシンプルなことです。
ですから、初心者であっても無理なく、力をつけることができます。
また、「耳と脳を慣らす」ことは、英語リスニングだけではなく、英語スピーキング力の向上にも役立ちます。
ここでまとめているコツを参考にして、英語リスニング力を上達させていきましょう。
英語リスニングのコツ1ー英単語の音を知る(和製英語)
「和製英語に対応する英語表現を知らない」
「和製」英語は、当然、英語の世界にはありませんので、和製英語に対応する英語の音を知らないと、音は聞こえません。
例えば、「ワイシャツ」という表現です。これは、英語にありませんので、「ワイシャツ」という言葉を意識していると、それに対応する英語表現の音は認識できないということが起こります。
和製英語に対応する英語の音を学ぶことで、英語リスニング力は向上します。
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英語リスニングのコツ2ー英単語の音を知る(外来語)
「日本語にもある表現だけど、正しい発音を知らない」
日々の生活の中に多く溶け込んでいる、英語の本当の発音とは違った「外来語」があります。
「外来語」は、和製英語と異なり英語の世界でも使われている単語ですが、日本における外来語と英語本来の単語とは発音が異なります。そのため、「外来語」の音が頭にあると、英語の本当の音を認識できないということが起こりうるのです。
例えば、スポーツや音楽イベントが行われるstadiumですが、発音はスタジアムではありません。
このような「外来語」の英語における発音に慣れることで、英語が格段に聞き取りやすくなります。
英語リスニングに役立つ外来語は下の記事まとめていますので、ぜひご覧ください!
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英語リスニングのコツ3ー英単語の音を知る(発音を間違えやすい英単語)
「この英単語、よく発音を間違ってしまうなあ」
そのような、「綴りから発音の想像がしにくい英単語」に出会うことはありませんか。
例えば、allow。これは「アロー」ではありません。
このような、発音を間違えやすい英単語を間違った音で認識していると、当然、聞き取りが難しくなります。
「発音を間違えやすい英単語」を知り、正しい発音を認識することは、リスニング力向上に役立ちます。
英語リスニングのコツ4ー英単語の意味を知る(類音語・同音語)
「同じ音の英単語を別の英単語と間違ってしまった」
英語には類音語(発音が似ている言葉)や同音語(発音が同じ言葉)が多くあります。
このような、「似ている音、同じ音の英単語」はまとめて意識しておくことが効果的です(「かき」と聞いて、日本語の柿と牡蠣がすぐ思い浮かぶように)。
例えば、right と lightは、正確な発音は異なりますが、ほぼ同じに聞こえます。
このような、類音語・同音語をまとめて認識しておくことは、英語リスニングの中で正しい判断をするための瞬発力を育みます。
英語リスニングのコツ5ー英単語の意味を知る(知っている英単語の意外な意味)
「この英単語に、こんな意味があったんだ」とか
「この英単語、名詞だけじゃなくて動詞でも使うんだ」みたいなことはありませんか。
例えば「I have a strong will」のような使われ方をした時の「will」
このような頭の中に入っていない使われ方をされた時も、英語リスニングが滞る一因となります。
ですから、「よく知っている英単語だけど珍しい使われ方」に慣れることも1つのポイントになります。
英語リスニングのコツ6ーよく使われるフレーズの音と意味を知る
日本語会話にも、よく使われるフレーズがあるように、
皆さん自身にもよく使う口癖があるように、
英語にも用いられることが多いフレーズがあります。
そして、そのような使われやすいフレーズを自分のものにしておく(頭に入れておく)ことは英語リスニングを加速させる1つの方法です。
というのも、そのフレーズを言われた時は、あまり深くリスニングせずとも、音声認識と意味理解が進むからです。そして、そのフレーズ以外の英語表現のリスニングにフォーカスすることができます。
例えば、・・・, you know,・・・があります。
これは、次に何を言おうか考えている時の言葉で、ほとんど意味がない表現であると、英英辞典にも書かれています。
日本語の「えっと」とか「えー」「あー」など、思考を巡らせている時に、無意識に出る表現と同じなのです。
このことを知らず、そのまま直訳を試みてしまうと、そこから英語リスニングが崩れてしまいます。
このようなしばしば出現するフレーズは、英語スピーキングにも共通する事柄で、相手にとっても慣れ親しんだものであり、お互いのコミュニケーションが弾むファクターにもなり得ます。
英語リスニングのコツ7ー英単語が連なった時の音を知る(Liaison)
英語では、複数の英単語の音が、つながって発音されることがよくあります。
例えば、How are you?も「ハワユ?」あるいは「ハワヤ?」のように聞こえます。
このような音のつながりに「聞き慣れる」ことも英語リスニング力の向上に役立ちます。
英語リスニングのコツ8ー「自分のニーズに合わせて」耳を慣らす
「耳を慣らす」ことは、英語リスニング力を向上させる大きなポイントですが、「違い」を意識することが大切です。
1ー「話題・場面」による違い
話題・場面によって使う英単語やフレーズ、言葉遣いなどは異なります。このことは、日本語での状況を思い浮かべるとよくわかります。
話題というのは、例えば「スポーツ」「経済」「金融」「健康」などです。さらに、スポーツの中でも、ベースボールやフットボールなど、スポーツの種類によっても異なります。
場面というのは、「ニュース」「会議」「日常会話」などです。フォーマルな場面とカジュアルな場面では、言葉遣いが異なります。「ニュース」のような話し方で知人・友人と話す人はいないでしょう。
2ー「英語圏」による違い
日本語であっても地域差(関東・関西など)や方言など違いがあるように、英語も
- アメリカ英語(American English)
- イギリス英語(British English)
- オーストラリア英語(Australian English)
- シンガポール英語(Singaporean English)
など、それぞれの文化を反映した違いがあります。
3ー「人」による違い
皆さんも、日本語で会話をする際に、知人・友人とは異なる頻用表現があったり、喋り方も人それぞれ異なるでしょう。
当然、英語を話す人も、口調やスピード、口癖など、それぞれ特徴があります。
まとめ
これらの違いに対してはとにかく「音に耳を慣らす」ことが効果的ですが、中でも、皆さん自身にとって、最も有効なのは自分に合った、自分が向上させたい「違い」の音に耳を慣らすようにしましょう。
その理由は、自分のニーズに合致しており、上達を実感できるからです。
「日常会話」「ビジネス」「会議」「ニュース」など、多くの人は1番目に挙げた「『話題・場面』による違い」を意識してトレーニングするのが効率的になるのではないでしょうか。
例えば、「日常会話を出来るようになりたい」場合は、「ニュース」や「スポーツ」の話をする、あるいは聞くよりも、「日常会話」をする、あるいは聞く方が上達は速いはずです。
もちろん、例えばイギリスで生活あるいは留学する人は、2の「『英語圏』による違い」を重視して、イギリス英語で話される様々な話題・場面の音に耳を慣らすのが効果的かもしれません。
ちなみに、1つの「違い」を重視したとしても、他の2つの「違い」にも遭遇することは出来ますので、それによって他の違いに慣れないということはありません。例を挙げると、「日常会話」への耳慣らしを重視する場合でも、様々な英語圏の人が話す英語を聞くことで、自然と2番目・3番目の違いへも耳鳴らしできていることになります。
いずれにしても、英語の中にある「違い」を意識しつつ、自分のニーズに合った音の違いに耳を慣らすことが上達の近道です。
最近では、youtubeなどでも、様々な場面・状況の英語を聞くことができますので、「自分が今、特に上達させたい英語リスニングの場面・状況はどのようなものか」を振り返り、自分にあった教材を探して耳慣らしするとよいでしょう。
英語リスニングのコツは、「英語スピーキングの上達」につながる
英語スピーキングの学習で発音がわからない時、皆さんはどうしていますか?
英語の音を聞いて(リスニング)確かめるのではないでしょうか?
「正しい音を確認し、正しい音を真似する」ことは英語スピーキングを上達させる上での大切なトレーニングです。
この記事で紹介している英語リスニングのコツによって正しい音に慣れたら、その音を真似てスピーキングすることで、聞き手(相手)にも伝わりやすくなります。
すなわち、「英語リスニングのコツ」をトレーニングすることは、英語スピーキング力の上達に直結するメリットもあるのです。
最後に
如何でしたでしょうか。
皆さんがすでに取り組んでいるトレーニングもあれば、初めて耳にするコツもあると思います。
ぜひ、ご自分の英語力と課題を振り返りながら、自分に合ったコツを日々の英語リスニング学習に取り入れてみてください。
皆さん自身の日本語力も長い年月をかけて築き上げてきたものであるように、英語も同じく、自分のペースで、長い目線をもって、スキルを高めていきましょう。
「ローマは1日にして成らず」
この記事が、皆さんの英語リスニング力の向上の一助となれば幸いです。
最後になりましたが、英語学習全体に対する取り組み方として、「英語脳を作れていない」すなわち「日本語脳で英語に取り組んでいる」ということが、英語リスニング力向上を妨げるファクターとして存在している場合があります。
「英語脳」に関しては、下の記事でまとめていますので、ぜひ、こちらもご覧ください。